2017年8月9日水曜日

DeNAMERY年内再開 無断利用問題なお未解決 - 日本経済新聞

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は女性向けのファッション情報サイト「MERY」を年内に再開する。9日の決算説明会では守安功社長らが「小学館と一緒になり、運営体制を抜本的に見直す」と強調。著作権侵害や誤情報の配信など昨秋に起きた問題を繰り返さないと説明した。ただ画像や記事の無断利用に伴う迷惑料支払いなどは未解決。再開は見切り発車との指摘もある。

 「ファンの多かったサービスなので(従来の)世界観はなるべく維持したい。一方で過去に問題のあった記事の作り方や編集の仕方は小学館に入ってもらい、しっかりと改める」。DeNAが東京・渋谷の本社で開いた4~6月期の決算説明会。守安氏はMERYについてこう説明した。

 再開に向けて8日に小学館との共同出資会社を設立。33.34%を出資するDeNAから約50人が新会社に移る。

 DeNAがMERYの記事公開を中止したのは昨年12月だ。昨秋以降、医療情報サイトの「WELQ」をはじめ、DeNAが運営していた複数のまとめサイトで画像や記事の無断利用や、誤った内容の記事が多数含まれることが発覚したためだ。第三者委員会は3月に提出した報告書で、収益偏重の姿勢やクラウドワーカーを利用したやみくもな記事の量産体制を指摘。小学館との共同事業への移行はDeNAなりの打開策ではある。

 未解決の問題は少なくない。「納得できる説明がない」。コーヒー情報のサイトを運営する男性はこう憤る。MERYなどに画像を無断で使われたことをDeNAに指摘したところ、提示された迷惑料は1記事あたり1000円。算出根拠を問うても「言えない」の一点張りで交渉は滞ったままだ。

 再開後のビジネスモデルも明快ではない。守安氏は購読料を取るのではなく広告モデルを採用する考えだが、取材や校閲をしっかりすればコストはかさむ。

 10~20代の女性たちの間ではMERYの再開を歓迎する声が多いのは事実だ。守安氏も「MERYが順調に行き始めたら医療情報のWELQ以外は(再開を)考えたい」と話す。

 ネット上での著作権やメディアの責任を考えさせる契機となったまとめサイト問題。老舗のネットベンチャーがどう乗り越えるかを世間は注視している。

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