農業と対極にある仕事を続けるのは、「根っこは同じ」という思いがあるからだ。一見、優雅なモデル業界も、裏では“女の戦い”が熾烈(しれつ)。撮影前にセットした髪の毛をつかまれ、引きずり回されたこともある。体形維持には徹底した自己管理が欠かせない。
それでも、「モデルも農業も自分が表現した作品。自分が作ったアスパラガスを見て、直接評価してもらえる」と話す。時に理不尽な自然と闘い、農作物の管理に目を光らせる農家は「同じくらい忍耐力が必要。だから命を生み、育て、与える職業は楽しい」。そう感じる。
残念なのは、農業の価値を周囲だけでなく、農家自身が気付いていないことだ。「私の場合は都会に出たことで、周りから農業の価値を教えてもらった」と言う。農家モデルという異色さが目に留まり、農業に共感してくれる仲間が増えれば――。奥園さんは消費者と交流のできる観光農園や、機能的でおしゃれな農作業着のファッションショーを計画。実現に乗り出した。(木原涼子)
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